石川寅治 驟雨一過
明治から昭和に活躍した洋画家で、水彩画、素描、木版画、彫刻なども手掛けた。1891年に上京し、小山正太郎の私画塾 「不同舎」 へ入塾。1900年パリ万博に作品を出品後はアメリカ及び欧州へ留学し国内にとどまらない活躍をみせた。帰国後は、文展、帝展を中心に出品し、審査員を務める。 明治末期から大正時代にかけては、裸婦画や 美人画 を中心にモダンな女性像を多く描いたが、後期には日本各地の風景をモチーフとする作品を多く残した。本作ではにわか雨の後、雨雲が流れて晴れ間が覗き、港の人々の活気が戻る様子が、豊な色彩を用いた油彩画を思わせる画風によって描かれている。
石川寅治(いしかわとらじ)
明治8年(1875)〜昭和39年(1964)
洋画家、版画家。油絵、水彩画、素描、木版画、彫刻など多岐にわたって制作し、渡航経験や海外への出品も多数で旺盛な活動意欲の持ち主であった。