国芳 横浜本町之図
人でにぎわう横浜のメインストリート、本町通である。画面左に店を構えるのは、三井呉服店。生糸を載せて行く荷車の脇には、ちらほらと外国人の姿も見える。江戸時代後期を代表する浮世絵師 国芳 の絶筆。
国芳(くによし)
寛政9年(1797)〜文久元年(1861)
浮世絵師。画号に一勇斎・採芳舎・朝桜楼などがある。江戸日本橋にて染物屋の子として生まれたが、文化末年から 初代豊国 の門人となり、 役者絵 ・挿絵などを描き始める。文政末年より描き始めた錦絵「通俗水滸伝豪傑」シリーズで人気が急騰。以後「 武者絵 の 国芳 」として評判を得る。柴田是真にも学んだとされ、天保期には 洋風 風景画 も手がけるようになり、また 戯画 の豊かな発想から幕末の奇才と呼ばれる。