シリーズ詳細情報
富嶽三十六景 (ふがくさんじゅうろっけい)
大波越しに富士を望む「神奈川沖浪裏」、赤く照らされた富士が堂々とそびえる「凱風快晴」。最も有名な浮世絵といっても過言ではないこの2点は、いずれも『富嶽三十六景』を構成する作品である。天保2年(1831)前後に刊行が始まり、36図が完成したのち、10図が追加された。季節や見る場所によって変化する、さまざまな富士の姿もさることながら、その前景としてシリーズ中の多くの作品に描かれる、人々の営みもまた見どころであろう。日常の風景のなかに常に富士があり、人々に親しまれていたことを感じさせる。プルシアンブルーが鮮やかに映える、北斎の代表作である。
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