最終更新日 2023/02/06
天保十四年から弘化四年(1843〜47)頃刊行。大判三枚続きに合戦の様子が描かれた迫力の一作である。 画面の中央に描かれるのは馬に乗った上杉謙信とその刀にやや後ずさりした武田信玄の一騎打ち。しかし一騎打ちといいながらも信玄の後ろには三人の影武者が描かれているのが興味深い。甲陽軍鑑の中には、上杉謙信が影武者の存在のために、一騎打ちを貫徹できなかった旨の記述もある。
芳虎(よしとら) (生没年不詳)浮世絵師。画号に一猛斎・錦朝楼・孟斎などがある。 国芳 の門人で、師の得意であった 武者絵 に秀で、また役者大首絵にも力作がある。また 美人画 や 横浜絵 、開化絵などでも活躍した。