最終更新日 2024/11/26
浴衣姿に子供を引き連れた女が、船の浮かぶ湾を眺めている。夢二独特の描く女性独特の華奢な体に、濃紺の柄が美しい浴衣に夏らしい爽やかなブルーの帯を締める。子供の着る暖色系の衣との補色対比が美しく、すそから赤い下駄が覗いているのも愛らしい。夏の海を見つめてわずかに垣間見る横顔は上品で、すっきりとまとめられた髪にはすがすがしさを感じる。 その華奢な後姿に上品さとともに自然体に生きる近代の女性が映し出されている。
竹久夢二