北斎(ほくさい)
宝暦10年(1760)〜嘉永2年(1849)
浮世絵師。狩野派、土佐派の画法を学び、司馬江漢などの 洋風 銅版画にも関心を寄せるなど、破天荒な修業生活を送る。版画ほか肉筆画にも傑出し、印象派に影響を与えた。
北斎漫画
生涯に3万点を超える作品を世に送り出したとされる 葛飾北斎 。その卓越した描写力と鋭い観察眼を最も如実に示すのは、この『 北斎漫画 』であろう。もともと弟子の教育も兼ねて制作された作品であったが、森羅万象ありとあらゆるものを自由闊達な筆で活写した、全15編、およそ4000もの図版群は、単なる絵手本の域にとどまらない。文化11年(1814)から、彼の没後の明治11年(1878)まで発刊が続くほどの人気を博した、まさに浮世絵絵本の金字塔と呼ぶべき作品である。