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風俗三十二相

ふうぞくさんじゅうにそう

武者絵役者絵歴史画 など多種多様な分野に活躍した 芳年 であるが、美しい女性を題材とした作品も多く残した。明治21年(1888)刊行の『 風俗三十二相 』は、「嬉しそう」「眠そう」「あったかそう」といった、女性たちの感情を魅力的に描き出した揃物である。黒目を小さく、眉毛や唇に細やかな動きを与えて描くことで、 芳年 は彼女らの心の機微をも描き出すことに成功している。本作のおよそ10年前に発表された『見立多以尽』にも同様の趣向がみられるが、説明文を添えず、表情や仕草だけで女性の心のうちを描写しようとする本シリーズには、晩年になってもなお衰えない 芳年 の気概が感じられる。

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