広重(ひろしげ)
寛政9年(1797)〜安政5年(1858)
浮世絵師。画号に一遊斎・一幽斎・立斎・歌重などがある。豊広の門人で狂歌本の挿絵や 役者絵 を初筆として画業に入る。天保3年、幕府八朔の御馬献上の行列に随行して上洛。その時の印象を翌年『 東海道五十三次 』に結実させて刊行。好評を得て 風景画 家としての道を進む。以後、諸国 名所絵 、江戸 名所絵 の傑作を発表。代表作に『東都名所』『 名所江戸百景 』等がある。
東都名所
『東都名所』は天保2年(1831)頃、 広重 が最初に出した 風景画 シリーズである。10枚揃で一幽斎描きともいう。それまでは 美人画 、 武者絵 、おもちゃ絵、 役者絵 や挿絵など幅広い作画活動を展開していたが振るわなかった。しかし 広重 はこのシリーズで 風景画 家としての本格的スタートを切り、続いて天保3年(1832)に刊行された『保永堂版 東海道五拾三次 』が大人気となり風景版画家の地位を確立した。